4.4. 科学のプロセス : 抗生物質耐性菌はどのようにして生じるか
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細菌の中には、ヒトの免疫細胞の細胞膜をこわして病気を引き起こすものがある ほとんどのブドウ球菌感染症はメチシリンのようないくつかの一般的な抗生物質で治療できる 最近ではMRSA感染がより一般的になりつつあり、病院以外でも起こっている
観察
彼らは他の細菌がPSMというタンパク質を使って、ヒトの免疫細胞の細胞膜に孔を開けてその機能を失わせるという事実を出発点にした 疑問
その観察事実によって、PSMがMRSAの感染の一因なのかどうか
仮説
PSM産生能のないMRSAは通常のMRSA菌よりも致死性が低いであろう
実験
7匹のマウスを通常のMRSA菌に感染させ、8匹のマウスを遺伝子工学の方法でPSMをつくれないようにしたMRSAに感染させた
結果
3日後、通常群はすべて死んでいたが、PSM産生能のないMRSAに感染した8匹のうち5匹は生存していた
電子顕微鏡で観察すると、死んだマウスの免疫細胞の細胞膜には孔が開いていた
研究者たちは通常のMRSAは膜を破壊するPSMタンパク質を使うが、他の3匹のマウスにはPSMがないにもかかわらず死んだので、他にも要因があるに違いないと結論づけた